ボーカルがライブで声が不調なとき、体と喉のケア

私の楽屋トレーナーで需要が多いのは、意外ですが、ボーカルさんです。

ガラガラ声、声が出ないなど喉の不調が起こる原因と、声が出るよう喉や体、歌うためのケアについてです。

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ボーカルの声の不調の原因

ライブ等で喉の使い過ぎ

無理な大声を出すと、喉を痛めます。

声の大きさ=呼気圧×呼気流
呼気圧、呼気流を大きくして空気の量が多くなっても、気管の直径(7m前後)や声帯の左右間の隙間の大きさは変わりません。

声帯やのどの筋の疲労、粘膜の炎症などで、共鳴腔が震えにくく響きにくくなります。

対策;声の出をよくする

「発声しやすくなる、あめんぼの歌」

移動

長時間、車中でじっとしていることで、体がかたくなります。

発声は体を使ってするので、体がかたいと胸郭の動きや背中の筋肉の動きが悪く、息が出入りしにくくなります。

腰痛や肩こりも起こしやすく、機内、電車内の乾燥もよくないです。

 

風邪、アレルギー性鼻炎など

鼻やのどの粘膜の炎症や、分泌物のせいで響きにくくなります。

咳は、のどに負担です。

 

酒、たばこ

お酒の席で大声で話すことで一晩でガラガラ声になります。

たばこー論外。

『声の障害~メカニズムと治療法~』

 

声が不調なときの対策

ガラガラ声対策

・のどを休める。しゃべらない。
・水をチビチビ飲んで潤す。
・ガム、のど飴で唾液を出す。
・マスク、保湿;
タバコやほこりなどはマスクで防塵。
乗り物や冬場の乾燥対策にマスク。

ちなみに、うがいしてるのは口蓋垂(のどチンコ)まで。声帯はもっと下なので、うがいは届きません。

イソジン(ポピトンヨード、殺菌剤)よりアズレン(アズノール、抗炎症剤)のほうが粘膜にやさしいです。

アズレンは皮膚炎や粘膜疾患にも使います。イソジンはキツい。

 

のどにおすすめ

◆ハチミツ入りミントティー

ドライハーブでも、フレッッシュハーブでも可。

ペパーミントよりはスペアミント。

◆のど飴

おすすめは、森下仁丹の「鼻・のど甜茶飴」。
矢野顕子さん、森山良子さん、安田祥子さんらの必需品。

ハッカ味でノンシュガー、鼻がスーッと通ります。

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他の飴は砂糖のかたまりなので、ミント系のガムの方がおすすめです。

 

呼吸しやすく、体をケアする

◆しっかり寝る

のども体も休めます。
7時間でも8時間でも寝てください!

◆体をほぐして柔軟にする

息は体を使って出るので、かたさを解消します。

足首、首、体幹、腰をゆっくりストレッチ。

寒いと体がかたくなるので防寒対策を。

管楽器、ボーカルの姿勢、手

 

あとがき

ライブで私ができるのは、体の外から息の出をよくすることだけです。

ボーカルさんの声が出るか?リハや本番中、私の胃が痛いときです(マジで)。

出るんですね。ガラガラ声だったのに。

これはやっぱり彼らが長年歌ってきた“ボーカリスト”だからだと思います。

これが20くらいの新人さんだと30分の持ち時間でも出ない。

(こっちが泣きそう;;)

 


『演奏不安・ジストニアよ、さようなら 音楽家のための神経学』

 

《ミュージシャンボディトレーナー新堂浩子》

ステージに上がる音楽家のためのフィジカルセラピスト

音楽家の不調を根本的に神経系から改善して、心技体トータルで向上していけるよう支援しています。

19年医療に従事したのち音楽家専門パーソナルトレーナーに。

バイオリン、ピアノ、トランペット、アコギ歴。

趣味は、大人から始めたクラッシックバレエ

詳しくは プロフィール