ギター、ベース、ピアノや管楽器などで、腱鞘炎になる、指が動きづらい、腕が疲れる、肘が痛い

手の造り上、指の動きやすさにそぐわない手の使い方だと余計な力で運指するので、指の筋肉がある腕が疲れます。

手の造りに沿った手の使い方だと、指が動く抵抗がなく疲れません。

手の解剖をわかりやすく、見てみましょう。

筋肉について

筋肉の役割、腱鞘炎

筋肉の主な役割は、骨を動かすことです。

筋肉の端の方は細くなって、骨に付いている部分を「腱」と呼びます。

筋肉が縮むと両端の腱が骨を引っ張って、動きが生じます。

 筋腹(縮む)(縮まない)骨
   ↓      ↓  ↓

 

指の関節は、腱をはめている鞘(さや)があって、腱鞘(けんしょう)と呼びます。

腱や腱鞘が擦れて腫れたり痛みが出たり、スルスル動かなくなるのが腱鞘炎です。

「音楽家に起こりがちな体の不調」腱鞘炎とは

 

筋膜

筋肉を覆っている弾力のある繊維性の丈夫な結合組織を、「筋膜」と言います。

弾性繊維のエラスチンとコラーゲン繊維から成ります。

コラーゲン繊維はゼラチン状で、寒いとかたく、暖かいと液化して動きやすくなります。

骨について

関節

関節は、骨と骨が接する部分に隙間があって、ここで動きが起こります。

(引っ付いて動かない関節もあります)

関節は、関節包というカプセル様に包まれていて、中には滑液という粘液があって滑ります。

手の筋肉学

演奏者向けに手の造りについて、必要最小の解剖とイラストで説明します。

指の動きに必要な、肘から先についてとします。

ただ、動きは一つの筋肉の作用ではなく、たくさんの筋肉の動きが合わさって手が動きます。

そしてそれらは、神経系によって調節されます。

注釈)
四指とは;人差し指、中指、薬指、小指
筋肉名;作用  [筋肉が付く骨]〜[筋肉の反対側が付く骨]
第一関節、第二関節;爪側の関節、爪から二つ目の関節

指、手首を曲げる筋肉

指や手首を曲げる屈筋は、主に前腕の掌側にあります。

手を握る時には屈筋が働いて、強い力が入ります。

浅指屈筋;四指の第二関節を曲げる [上腕骨の肘内側]〜[四指の中節骨]

深指屈筋;四指の第一関節を曲げる [尺骨(前腕の小指側の骨)]〜[四指の末節骨]

>小指側を軸に手を使うことで、四指を曲げやすい。

この2つの屈筋は共同で働くので、四指の第一関節と第二関節は同時に曲がります

>[腕]から長い腱が手首を通って[指の骨]に付くので、指を動かしやすいためには、手首の角度、腕からの使い方が大事。

〈右手、掌側の屈筋

図左)手首を曲げる筋肉;上腕の下端〜掌の骨に(白い)
中)四指の第二関節を曲げる浅指屈筋;腕〜四指の途中まで
右)四指の第一関節を曲げる深指屈筋;腕〜四指の先端に

長母指屈筋;親指の第一関節を曲げる [前腕の骨]〜[母指先端の骨]

指、手首を伸ばす筋肉

手や指を伸ばす伸筋は、主に前腕の手背側、甲側にあります。

総指伸筋;四指を伸ばす  [上腕骨外側]〜[四指の骨]

 

示指伸筋;人差し指を伸ばす [前腕の骨]〜[人差し指]

>人差し指を伸ばすとき、手首が曲がらない方が使いやすい。

小指伸筋;小指を伸ばす [上腕]〜[小指の骨]

>小指は伸ばしやすい

手首を通り指先まで伸びる伸筋=甲に見えるスジ
        ↓       ↓

短橈側手根伸筋;手首を伸ばす、反らす [上腕骨]〜[中指の付け根の骨]
長橈側手根伸筋;手首を伸ばす、反らす [上腕骨]〜[人差し指付け根]

尺側手根伸筋;手首を反らす、小指側へ折る [上腕骨]〜[小指の付け根]

指の独立した動き

掌の中にある骨間筋により、人差し指、中指、薬指が分離して動きます。指が開いたり閉じたりします。

親指、小指は、母指球、小指球にある筋肉でも、開いたり閉じたり曲がります。

鍵盤や弦を押さえてキープするのは、虫様筋[深指屈筋腱〜指背腱膜]という小さな筋です。

手首から指が分離するまでに付く小さい筋肉で、小さい力で動きます

人差し指、中指、薬指の骨間筋
母指球、小指球にある筋肉

虫様筋

手の動き

人が動くときには、体すべての筋肉が協調して動きます。

指を動かすときも、それぞれの部位の動きが組み合わさって、滑らかに動きます。

筋肉が骨同士を寄せたり離したりして、関節が曲がったり伸びたりします。

動きは関節で起こります

動きやすいとは、関節が屈伸しやすいことです。

指の動き

・指を曲げる
・指を伸ばす
・指同士を開く
・指同士を閉じる
・親指と他の指が向かい合う(対向)

手首の動き

・手首を掌側へ曲げる
・手首を伸ばす、反らす
・親指側へ曲げる
・小指側へ曲げる

前腕の動き

肘から先が回転する
・掌を下に向ける(回内)ページをめくるような動き
・掌を上に向ける(回外)

カスタネットを片手において、反対の手で叩くように腕の小指側を回転軸とすると、動きやすいです。

親指に力が入って腕が回転すると、力が入るので鍵やドアノブを回せますが、繰り返すには抵抗が大きいです。

ピッキングやスラップで、親指に力を入れない方が動きやすいです。

動きやすい手のコツ【腱鞘炎対策】

手は物を持ち上げるような大きな力を入れることも、演奏で指を別々に細かく動かすこともできます。

腕の中にある筋肉は大きな力が入りますが、手の中の小さな筋肉は小さい力で動きます。まぶたのように。

指が動きやすいためには、大きな力を発現させないことです。

手の自然な状態

力を入れていないときは、手は縦横に軽く丸まっています。

指は曲がっていて、親指は四指側に向いています。

自然な手

ここから指が曲がったり伸びたり、手が開いたりします。

・掌側の筋肉が縮む→指が曲がる

・手の甲側の筋肉が縮む→指が伸びる

押す指を離すと、筋肉がゆるんで元に戻ります。

離すだけで伸ばす筋肉を使わなくてもいいということです。

手が動きやすいコツ

・手首を反らさない、強く曲げない

腱が手首のところをスルスル通りやすいと、指がバタつかずミスが少なくなります。

リラックスした手は、指が軽くカーブをしていて指の動きに抵抗がありません。

手首がまっすぐか、甲側に軽く凸だと指が小さな力で独立して動きやすいです。

 

・手全体で指を使う

手首あたりから傘を開くような感じで、手全体で指を使うことで余計な力がなくなります。

指が分かれている谷間のところからより、もっと手首寄りから指の骨は分離して動きます。

一指を頑張って伸ばすより、手首あたりから指を使うつもりで楽器に持っていくと、指を屈伸しやすくなります。

親指側を伸ばすと強い力が入り、動きにくい。他の四指がきつく丸まったり、他の指が伸びます。

指が押しやすいように、腕が手全体をリードして柔らかい手首で、指を使いやすくなります。

 

腕が疲れる、痛いのは

動きにくい状態で動きを繰り返すと、筋肉が入っている腕が疲れます。

腕が疲れたり痛む場合、手首の曲がり方がよくない、親指に力を入れるなど、腱が手首を通りにくく抵抗があります。

例)
親指に力を入れたままピッキング、押弦
ピアノの黒鍵を親指伸ばして弾く
スティックを強く持って叩く
サックスの親指側を伸ばしている

 

筋肉の手先側で腱や腱鞘がダメージを受けると「腱鞘炎」、

腱の反対側が付く肘や上腕骨の下端に炎症を起こすと、肘が痛みます。

手や手首に痛みを感じることもあります。

手の造り、元の動きやすさを大事にすることで、演奏で手を使いやすく痛みを回避します。

指の筋肉や手首を固定する筋肉が付く前腕や肘に痛み

ピアノで腱鞘炎を遠ざけて弾きやすい手

「手術する?レッスンは?ピアノやギターの腱鞘炎はがんばらない」

「腱鞘炎になってさらに進化したピアニストー手術する?しない?」

《ミュージシャンボディトレーナー進藤浩子》

ステージに上がる音楽家のためのフィジカルセラピスト

音楽家の不調を根本的に神経系から改善して、心技体トータルで向上してより高いステージで揮けるよう支援しています。

19年医療に従事したのち音楽家専門パーソナルトレーナーに。

バイオリン、ピアノ、トランペット、アコギ歴。

趣味は、大人から始めたクラッシックバレエ、英会話

詳しくは プロフィール

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