ピアノの座り方は、背中、肩を通して腕に影響して、手の動きやすさに影響します。

長時間動かないでいたり、猫背で背中を丸めて首の後ろを引っ張っていると、肩こりや腰痛の原因になります。

肩こりは、気づかないうちに腕の動きやすさを邪魔し、手に負担をかけます。

ピアノ、鍵盤楽器を弾きやすい姿勢

足を腰幅に開き、椅子に浅く腰掛け、一旦下腹を意識します。

意識することで、重心を体幹の下の方に置くことができます(力を入れずに意識するだけです)。

「腰を据えた」状態です。

腰で安定して座ると背中の筋肉がリラックスし、肩甲骨と腕が動きやすくなります。 

基本的なピアノ椅子の座り方

まず、肩幅に立ちます。

おへそを真ん中のドに合わせ、椅子の前の方に腰掛けるように、お尻の下の骨、座骨で座ります。

そうして座ると、右足がダンパーペダルに、 左足はペダルの外側にきますね。

両足は軽く床に付いてます。

腰から下で上半身を支えていると、背中がリラックスします。

頭を下向けず背中の上に載せて軽く顎を引くと、背中の緊張がなく肩、腕が動きやすくなります。

大人は座ったら弾く前に 一旦、座り心地を確認してみてください。 

 

椅子の前後的な位置

体をリラックスして、脇を軽く空けて肘を軽く前、 体から上腕を10度ほど前に出します。

体格にもよるので、 自分の腕が左右に動きやすければいいです。

無理なく指が鍵盤に触れる位置に、前後的に座ります。

 

椅子の高さ

肘から手先が水平か、手首のところで軽い凸だと、指を動かすのに抵抗がありません。

座って、手首が水平か軽い凸になるような高さが望ましいです。

椅子を下げる場合一気に下げると違和感が大きいので、 調節レバーを1日ずつ下げるといいです。

奏法によっては、 比較的高い位置から打鍵したり、低い位置から手首を凸にして弾くピアニストもいます。

 

低音側、高音側を弾く

体幹が左右へ柔軟に動いたり、肩部分の柔軟さで反対側へ腕が伸びます。

下半身が安定して上半身を支えて、体幹が左右に寄れたりひねれる柔軟さが必要です。

体幹がかたい、猫背や肩こりだと、体の移動や背中からの腕の動きに不利な状況です。

(↓肩の造り参照)

手を動かす時、腕の付け根から動いているように思いますが、腕を前に出すだけでも肩甲骨は動きます。

肩がかたいと、腕を動かす肩甲骨周りの筋肉が動きにくく、腕の動きに余計な力を使います。

 

肩の造り

体幹の中で、呼吸する胸郭の上の左右、鎖骨・肩甲骨・腕の骨の付け根、腕を動かせるところを(肩甲帯)と呼んでいます。

鎖骨は胸の中央の胸骨に付いていて、手のひらで触ると胸骨との関節から動くのがわかります(胸鎖関節)。

背中に肩甲骨があります。鎖骨と肩甲骨は引っ付いて動きません。(触ると境目がないのがわかります)

背中で浮いている肩甲骨の凹みに上腕骨が付いていて、体中で一番よく動く関節です(肩甲上腕関節)。

↓胸の真ん中に胸骨があって、左右に鎖骨が付きます

↓右の肩を前から見た図

上腕骨は肩甲骨に付きます
鎖骨と肩甲骨は引っ付いています

《肩の造りから腕を動きやすく》
誤って消してしまいました。汗;

ピアノの肩こり、原因と改善

ピアノは肩こりを起こしやすい

腕から先以外、動かないでいると体がかたくなり、肩こりを起こしやすいです。

猫背やうつ向きすぎは、首、肩の筋肉を引っ張った状態でこります。

 

こると肩甲骨と腕の動きが悪くなり、気づかないうちに力が入りやすくなります。

肩はこらないように、先に対策をとることが大事です。

適切なストレッチで、前もって首、肩、背中、足腰を柔軟にしておきましょう。

 

腰を据えた安定した座り(↑ピアノ椅子の座り方)で、首、肩に負担のない姿勢で座りましょう。

休憩をはさんで、適切なストレッチでリラックスを。

猫背は改善しましょう。

《猫背解消ストレッチ》

ピアノの前の肩ストレッチ

腕の付け根が胴体の左右外側にくるように、肩の位置のリセットもかねてウォーミングアップを。

肩を上に上げて数秒、後ろに数秒、力を抜きます。

『現代ギター』記載写真『月刊ピアノ』にも
IMG_2716

◆鍵盤を押さえつけない

鍵盤を押さえつける人は、肩がこります。

手に力を入れると、重い荷物を持つ時のように腕や肩まで力が入り、肩がこりやすくなります。

 

◆寒冷をさける

寒いと、熱を逃がさないようかたくなります。肩がこりやすく手に力が入りやすいです。

弾く前に手浴(お風呂くらいの温度のお湯に 手首から先をつけてしっかり温める)。

湯船で体を温めるなど、肩を冷やさないように。

 

ピアノでの腰痛、原因と改善

腰痛を起こす要因

足腰が上半身を支えてしっかり動いたり、体幹が適度に柔軟なことで、私たちは力を入れて物を持ったり色んな姿勢をとったりすることができます。

それができない、自分の体を支えて動かすことができないと、腰部の筋肉や背骨を痛めます。

・かたさ、柔軟さが足らない
・背中、腰を丸める姿勢、中腰での作業
・ヒールの高い靴、スマホで下向きなどバランスの悪さ
・重いものを運ぶ

腰痛を予防、改善する

弾く前に、背中、足腰を適切なストレッチでほぐして、座りやすく、ペダルを踏みやすくしておきます。

休憩をはさんで椅子から立ち、背中、足腰ともリラックスを。

普段から、適切な柔軟体操で背中を柔軟に。

《骨盤を立てる方法》

ピアノで腱鞘炎を遠ざけ弾きやすい手に


『演奏不安・ジストニアよ、さようなら 音楽家のための神経学』

 

《ミュージシャンボディトレーナー新堂浩子》

ステージに上がる音楽家のためのフィジカルセラピスト

音楽家の不調を根本的に神経系から改善して、心技体トータルで向上していけるよう支援しています。

19年医療に従事したのち音楽家専門パーソナルトレーナーに。

バイオリン、ピアノ、トランペット、アコギ歴。

趣味は、大人から始めたクラッシックバレエ

詳しくは プロフィール