パニック障害と鬱から自力で立ち直ったスター

こんにちは。

ステージに上がる音楽家のためのパーソナルトレーナー新堂浩子です。

 

今回は、精神的な病いから薬でなく自力で立ち直った有名人の本の紹介です。

生まれも身体もキャリアも恵まれたスター選手が、突然過換気を起こしパニック障害に。

明け方まで涙が止まらない、向精神薬の副作用で自殺願望…

ステージ恐怖症の方だけでなく、音楽家の方みなさんにおすすめです。

「乗るのが怖い―私のパニック障害克服法 」長島一茂(幻冬舎新書)

本の紹介

まさか、自分がパニック発作

ネタバレですが、本からの抜粋です。

長嶋一茂さんが、彼女や友人達と花火を見に行っていて、突然呼吸が苦しくなったのが始まり。

パニック障害を発症し、新幹線や飛行機などに乗れなくなる。

補足;「パニック障害」とは?

漠然とした不安と空間の圧迫感や動悸、呼吸困難等でパニックに陥り、「倒れて死ぬのではないか?」などの恐怖感を覚える人が少なくない。(パニック発作)

手足のしびれやけいれん、吐き気、胸部圧迫のような息苦しさなどがあるが、それ自体が生命身体に危険を及ぼすものではない。

パニック障害とは、予期しないパニック発作が繰り返し起こっており、パニック発作について心配したり、行動を変えているという特徴を持つ不安障害に分類される精神障害。Wikipediaより

 

二軍通達。

練習するのが当たり前で努力じゃない。

どんなに必死で練習しても上手くなれない、コンプレックスの塊だった。

 

自分の人生の全ての夢だった野球を諦める。

鬱になって、体調もシリアスな症状。

抗うつ剤の副作用で何度も自殺衝動、「もう死のう」…

 

どん底からの大逆転

どん底からの大逆転は、薬に頼らないことだった。

 

憧れだった空手を習って、楽しい事を夢中になって気を紛らす

これが、パニック障害克服において大事と後々気づいた。

 

故障や手術などしてきた体を大切にする。

自分の身体、心は、他人は褒めてくれない、自分で褒めてあげる。

「自分へのいたわり」は非常に重要。

 

精神疾患があると、体が常に緊張している。

ストレッチやマッサージでほぐしたり、まんがを読んで笑うこと大事だ。

丹田呼吸。孤独と飢えを味方にする。

 

週刊誌や新聞に、あれこれ書かれていた。

人の目なんかどうでもいい。

父親とは違う、わかってもらえないと思ったから、知らせなかった。

 

男の沽券を捨てた。

子供の前で泣いた「パパはスーパーマンなんかじゃない」。

本当の姿を見せたほうがいいと思った。

 

自分の人生の全ての夢だった野球を諦める

でもこれで、自分と対話できるようになった。

 

どんなにしんどくても身のふり方や生き方は、自分自身で考えてかなければならない。

医師や薬に頼る前に、自分がどうありたいか、どうあるべきか

改めるべきところは自分で改めなければならない。

 

恐怖や病気が教えてくれる

ここからは私の文です。

ステージフライトやジストニアー迷走神経

原因がわかりにくい恐怖症、ステージフライトは、自分が頭で考えているところよりも深いところの心理が体に表れています。

体は本当の心を映し出します。

 

副交感神経のほとんどを占める迷走神経は、リラックスするようにも働きますが、恐怖に対して逃げるようにも働きます。

迷走神経が支配している呼吸や心拍、顔や首肩の筋肉、胃腸などに影響が出ます。

 

つまり、リラックスしている時には、食べ物を消化したり眠ります。

でも、心理的な負担が大きいときには、過呼吸になったり体がかたくなったり、胃痛や下痢を起こしたり不眠になります。

 

総理大臣が潰瘍性大腸炎でしたね。

(自律神経系のポリヴェーカル理論「なぜステージフライトは繰り返すのか?凍りつきの神経学」)

 

病気はつらいものですが、生き方、考え方、やり方に無理がある、本人に本質的に合っていないことを表しています。

精神的な病気は、それまでの生い立ち、家庭、生き方、自分の思い込みがネックとなっていることが多いです。

自分がそれに気づきにくい

 

脳にある恐怖は、体や心が負った傷

スポーツ選手が故障したり手術を受けて、肉体的にダメージを受ける。

よく聞く話しですが、アスリートが故障や手術で体に苦痛を味わうことや、試合に出れないつらさは相当なものです。

肉体に受ける痛みや恐怖は、そのままトラウマティックな傷となって脳に残ります。

 

また、週刊誌や新聞での中傷的な記事による精神的なダメージ。

子供時代に虐待を受けていない人でも、その人にとって大きなダメージ、体・メンタルへの傷がトラウマになり積み重なります。

 

音楽家にとっても、大きな失敗、手の故障、身体的な痛み、大きなプレッシャー、人前での恥などが、気づかないうちに積み重なります。

人前で演ろうとすると恐怖で動けない、ステージ恐怖症や、腕や脚の口のジストニアを起こします。

(恐怖の原因が記憶にない子供時代にあって覚えていないこともあります。)

 

本当の回復は

 

病気からの本当の回復とは、薬や医者など誰かが治してくれるものではありません。

ステージ恐怖症やジストニア、手の痛みを起こすからには、必ず原因があってそこを解消することが必要です。

 

医者や家族は本人の苦しみ、辛さを理解できませんし、ただ症状がよくなることを期待します。

向精神薬は、頼るほどに断つことが難しく、自力で回復できなくなるのが現状です。

向精神薬を勧めないワケ→「ジストニアやステージフライトでも楽しく!気持ちが大事」

 

自分を大切にするとは

自分を大切にするとは、一茂さんの様に傷めている自分を自分がいたわることです。

病気を忘れて笑ったり、夢中になって楽しんだり。

「〜でなくてはならない」「もっと」と追い求めるのをやめる。

 

自分や周りを判断せずに受け入れ、自分に正直に生きることを許す。

一茂さんは、30才で発症して十何年かかっても、自分の内面と向き合い自分の生き方を探りました。

 

がんばらない、楽しむ

難しい病気を憂いたり、弾けない自分を不十分と考えるよりも、病気や理想に固執しないで楽しく過ごした方がいい。

自己批判をしないことで、「〜でなくては」という自己像に縛られず、結果をコントロールしようとしなくて済みます。

 

私も以前は、成し遂げなくてはいけない、「もっと〜でなくては」と考えていました。

人と比べ、能力を示さなくてはいけない、「こんなダメな自分ではいけない」という恐れから行動していました。

皮肉なことに、がんばって努力するほど上手く行かず、進歩しませんでした。

 

努力や苦労をするよりも、どんな状況でもありのままの自分を許容する方が、変化や進歩します。

ありのままの自分を受け入れるとは、がんばったり追い求めたりしません。

 

それまでの思い込み、執着を手放して自分に対して優しくし、くつろぐことが自分の内部を落ち着かせます。

自分が生き生きとすることを楽しんでください。

 

病気になったり弾けないことはつらいですが、自分を理解したり発見したりすることに導いてくれます。

自分らしさに目覚めて自分をはぐくみ、自分のすばらしさを表現することが、生きる喜びだと思います。

 

すぐにできることではありませんが、自分の本当の姿をさらけ出すことで、心身ともに健康になっていけます。

体は自分の内面を映し出すものだからです。

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『演奏不安・ジストニアよ、さようなら 音楽家のための神経学』

 

《ミュージシャンボディトレーナー新堂浩子》

ステージに上がる音楽家のためのフィジカルセラピスト

音楽家の不調を根本的に神経系から改善して、心技体トータルで向上していけるよう支援しています。

19年医療に従事したのち音楽家専門パーソナルトレーナーに。

バイオリン、ピアノ、トランペット、アコギ歴。

趣味は、大人から始めたクラッシックバレエ

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