本番前のあがり、深呼吸はするな!メンタルと呼吸の関係

こんにちは。

ステージに上がる音楽家のためのパーソナルトレーナー、新堂浩子です。

 

「落ち着くには深呼吸」って、言われてますよね。

ちょっとビックリすることを書きます。

「本番前にあがったら、深呼吸してはダメです」

 

あがると大きい胸式呼吸

「落ち着くには深呼吸しましょう」とよく言われます。

だから、みんな緊張を和らげるために、深呼吸したらいいと信じています。

 

本番前あがると、心拍と呼吸が速くなって、胸で大きい呼吸をしています。

交感神経が優位な状態です。

 

過換気症候群やパニック発作だと

ここで、過換気症候群やパニック発作についてみてみましょう。

不安やストレスから、過換気症候群やパニック発作を起こすことがあります。

過換気症候群を起こすと、口で大きな息をして止まらなくなります。

そんなときは、紙袋などを口に当てて、吐いた二酸化炭素を吸い込ませます。

 

<過換気症候群>では息を吐きすぎて、二酸化炭素をたくさん吐き出してしまいます。

呼吸は、酸素と二酸化炭素の交換です。

血液中に二酸化炭素があることで、体のすみずみまで酸素を届けることができています。

 

口で大きく息して、二酸化炭素が出ていき、息するほど息を止められなくなります。

息を吐きすぎると、血液の二酸化炭素の濃度とphが低くなって、酸素を届けることができません。

吐いた二酸化炭素を吸わせて血液中の二酸化炭素の濃度が上がることで、大きい息を止められます。

 

<パニック発作>は、自分が呼吸しすぎることに驚いて、さらに恐怖を感じます。

呼吸しすぎると、血管が収縮するので、脳に酸素が行きにくくなります。

ただでさえ恐怖が大きくなるのに、脳は酸素不足になって思考ができなくなってしまいます。

 

自律神経の三段階の迷走神経

前々回の記事で、自律神経について触れました。

「息、声が出せない、あがり、お腹の調子が悪い【自律神経】を理解しよう」

自律神経は、交感神経と副交感神経の2つでなく、3段階で考えるとわかりやすい。

 

1段階目;おだやかなときの迷走神経で、酸素を吸ったり食べたり話したりする。

2段階目;緊張、興奮してるとき交感神経優位で、大きな息になります。

3段階目;恐怖で凍りつく背側迷走神経系だと、パニック発作やステージ恐怖症。

 

人間は、怖さが大きくなると呼吸が大きくなります。

気道や肺にある呼吸受容器の多くは、迷走神経に支配されていて、呼吸困難の発生にも緩和にも関わります。

 

確かに、落ち着かないときに、深呼吸をして落ち着くことはあります。

これは無意識にしている呼吸を、自分でコントロールしてゆっくりすることで、交感神経が高まるのを抑えます。

自分を取り戻して、恐怖や緊張を抑えます。

 

本番前、深呼吸してはダメ

本番前、あがって呼吸が大きくなっているとき、交感神経が亢進しています。

すでに大きく呼吸しているとき、息を大きく吸ったり吐いたりすると、過呼吸になってしまいます。

怖さを増やしてしまったり、思考が暴走したり、頭が真っ白になります。

過剰に息を吸ったり吐いたりすることで、ステージフライトになってしまいます。

あがったら、口を閉じて小さく息してください。

呼吸を小さくゆっくりにすることで、心拍もゆっくりになります。

怖さがあるとき、大きな息をしない。

 

まとめ

・呼吸しすぎると、さらに恐怖を感じたり、思考ができなくなる

・本番であがったら、口を閉じて息を小さくする

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『演奏不安・ジストニアよ、さようなら 音楽家のための神経学』

 

《ミュージシャンボディトレーナー新堂浩子》

ステージに上がる音楽家のためのフィジカルセラピスト

音楽家の不調を根本的に神経系から改善して、心技体トータルで向上していけるよう支援しています。

19年医療に従事したのち音楽家専門パーソナルトレーナーに。

バイオリン、ピアノ、トランペット、アコギ歴。

趣味は、大人から始めたクラッシックバレエ

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