音楽の脳科学〈後編〉練習は神経回路と耳を磨く

ギターなど演奏で、よく「手の力が足らない」「指の動きが悪い」と思ってしまいます。

速く弾けないのは、なぜでしょう?

手を動かす筋肉をコントロールしているのは神経系です。

 

よくない動きを身につけると、手が軽く動いていないので、腕が疲れる、速く弾けないで噛みます。

クロマチックを速く弾けると、上達するでしょうか?

手が動きやすくなる、速く正確に動くためには、基礎的な動き方や練習を見直します。

「音楽の脳科学〈前編〉手を動かしているのは神経系」の続きです。

手を動かしているのは神経系

手が動いているのは

私たちは、筋肉や骨を使って動きます。

いくつかの筋肉で骨同士を寄せたり離したりして、動きが生じます。

動きが起っているのは関節で、動きをコントロールしているのは神経系です。

 

コンピューター制御みたいに、神経系で左右の腕や複数の指の動きを、コントロールしながら動きます。

手を動かそうとする直前に、脳に動かすプログラムができて、各部位に指令を出します。

筋肉や関節の動く体性感覚手の皮膚感覚、出した音の聴覚など神経系でフィードバックしながら、動きをコントロールします。

練習の目的

全く演奏できない人でも、手を動かして音を出す練習をすることによって、脳に演奏する動きの神経回路ができます。

超初心者の場合は、最初は手に力が入りますが、次第に動きを覚える=音を出す神経回路ができて、ぎこちなさがなくなります。

練習して神経回路ができることで、手が動きやすくなります。

 

弾けるようになるとは、音をつなげるための動き、演奏に必要な色んな動きがスムーズにできるようになることです。

ちょうど私たちが話すように、考えなくても顔や舌の筋肉が動いて、自分の声を聞きながら話します。

自分の音を聞きながら動きます。

 

練習の目的は、出したい時に、出したい音が出せるようになるために、神経回路をつくります。

音色やタイミングや音量など、 音をコントロールするために、自動で手が動いていくようになることです。

基本が大事

手の動きに抵抗がある状態での運指や、音を聞いていない練習は、問題になります。

余計な力で動かすことで、腕が疲れたり、将来腱鞘炎など故障に繋がります。

音を聞いていないと、音感、リズム感や音程に鈍くなります。

「力が足らない」のは

「力が足らない」「指の動きが悪い」「関節がかたい」と思う人は、動きにくい状態で指が軽く動いていないか、強く押弦するのを身につけた場合です。

手の持っていき方で指の動きに抵抗がある、余計な力で手や指の関節などかたいことに自分で気づけません。 

 

基本的な動き方がよくない、動きにくい状況で運指していると、腕が疲れたり、速く弾けない、噛みやすいです。

身につけた自分の動きかたを普通に感じてしまいます。

演奏しやすくなるための手の解剖

腱鞘炎ほか≫演奏での手の痛み、疾病

ギター、ベースを弾きやすい手

無理やり速く弾かない

大人はできるようになると、速く動かそうとします。

まだ音を出すための神経回路ができていないのに、力づくで速く弾いたり、力で動かす練習をしてしまいがちです。

 

速く弾ける=実力、ではありません。

弾けるようになるのは音をつなげる動きが力づくでなく動いていくことです。

 

譜面見る人ならわかるように、頭は次のことを考える必要があります。

演奏する時には、手が意識してではなく、自動で動かなくてはいけません。

クロマチックを丁寧に

クロマチックの練習をゆっくり正確にやることで、手が軽く正確に動く神経回路を作ります。

正確なタイミングで左右の手が動かせるよう、余計な力を使うことなくゆっくり弾きます。

 

押す指まで体からのリード、手綱が自由でリラックスしていること。

楽器に触れる、弦を押さえるのは指の先だけです。

 

手の形や、肘の角度など決めてはいけません。

親指に極力、力を入れず、弾く以外の指は押弦せずに力を入れません。

押弦している指に、余計な力が入らないように、次の音まで離れず待ちます。

 

左右の同時性や弦の押さえ具合、次への移動、ピッキングの大きさなど、たくさんポイントがあります。

単純な縦や横の移動で、手が正確なタイミングや位置に動く神経回路を作ります。

必要以上にバタついたり力んだりしないで、手が軽く動きます。

 

私が指導するとき、痛いとか弾きづらい方で、すでに身につけている方の動きを直す場合ですが、テンポ40でします。

難しいときは、メトロノーム使わずゆっくり弾いたり、片手だけ動かしたりします。

 

PCのタイピングの練習ですが、1本の指の縦移動や横移動をひたすら正確に打つように作ってあります。

意味のなく一指を縦や横に動かす練習をして、手元を見なくても、指が正確に軽く速く打つことが上達します。

自分の話ですが、以前はPCをブラインドタッチで打っていても、遅さを感じていました。

2年ほど前、Windowsの早打ちソフトで、数週間かかりましたが毎日やると、軽く速くブラインドタッチができるようになりました。

MacのTypistというアプリも、意味のない単純な文字入力やスペースキーを、ひたすら繰り返して正確に打つようにできています。

 

クロマチックでは、速く弾くよりも、力まず正確に動いていくことが大切です。

音のため弦を押す指の先が、正確に軽く移動できる手が全ての基盤です。

力まず手が動くことで、軽く正確に動かせて、速く弾くことができます。

 

一旦身につけた動きでも、毎日積み重ねることで、神経回路を作り直すことはできます。

すぐには変化は見えませんが、コツコツ続けることで、弾きやすくなっている変化に気づくときがきます。

音を聴くことが大切

音のタイミングや大きさ、音程などを、耳できちんと確認することが必要です。

ちゃんと音を聞いていないと、タイミングや音程がずれて音の粒が揃っていないことに気づけません。

エレキだと、ミュートも必要になります。

 

英語の先生によると、発音がよくならない人が、nativeの発音と自分の発音の違いがわからないと言ったそうです。

私が参加した英語の講習会でも、米人がお手本を何回言っても、生徒の一人が「」って言うんですね。

英語の子音の[s]は、あえて書くと「スィ」な感じですが、その人は違いがわからないのでしょう。

 

ちゃんと聴いて耳を育てないと、音の違いに気付いたり、自分の音をよくすることができません。 

最初はわからなくても、地道に毎日聴くことで、ちょっとしたタイミングのズレや音程の違和感に気づけるようになります。

時間はかかりますが、聴きながら手を動かすことが大切です。

ハードスキルが基盤

『才能を伸ばすシンプルな本』より ダニエル・コイル 2013 サンマーク出版

単なる繰り返しではなく、本物の練習をすること。

(SAXの練習で)基本的なスキルを身につけて次に進むことではなく「もっとも重要なこと」が並外れて上手くなること

ハードスキルを磨いておくことが、全ての基盤にある

完璧な部分をつくる努力。

超スローモーションの練習は拡大鏡。ミスをはっきりと認識し、修正をする。

「大切なのはどれだけ速くできるかではなく、どれだけゆっくり正確にできるか」

「なぜ練習しても楽器が上達しないのか?」動画参照

まとめ

練習の目的は、出したい音が出せるように、手が軽く動いていくように神経回路をつくる。

・力まずいい動きで運指練習

・音を聴いて正確に

毎日コツコツ積み重ねることで、指は正確に軽く動くようになります。

ギター、ベースを弾きやすい手

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《ミュージシャンボディトレーナー進藤浩子》

誰もが健やかに自分らしく奏で、音楽を通して明るい未来を目指します。 

医療系の大学卒業後長年医療に従事したのち、音楽家に体の指導やケアを行っています。

バイオリン、ピアノ、トランペット、アコギ歴。
趣味は、クラッシックバレエとライブに行くこと♪

詳しくは プロフィール

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