ここでは音楽家に起こりがちなものを、わかりやすくまとめてあります。

正確な診断には、適切な医師の受診をおすすめします。

おすすめのサイト→日本整形外科学会 症状・病気を調べる 

手指

「手の外科」の標榜のある整形外科を受診することをお勧めします。
外傷も多く、手を守るためには予防が第一です。

腱鞘炎 ケルバン病、バネ指

筋肉が骨に引っ付く部分を腱と言います。
指の腱は部分的に鞘(さや)に囲まれていて、ベルトがベルト通しを通るように、腱が腱鞘を通って指を動かします。

反復運動が繰り返されて腱や腱鞘の炎症を起こしたもの。

腫れや痛みが生じて指を曲げ伸ばししにくくなります。 

ドケルバン病

親指を広げたり、動かしたりすると強い疼痛。

母指を広げると手首にかけて2本の腱が浮かび上がります。

この腱に炎症が起こった状態で、手首の母指側が痛み、腫れ。

手首の中にある腱鞘の部分で腱の動きがスムーズでなくなる。

母指を中にげんこつにして手首を小指側に曲げると激しく痛む。痛みがある人は要注意。

妊娠出産期の女性や更年期の女性に多く、親指に負担をかけるスポーツにも多い。

親指の負担軽減、伸ばして使わない。
局所の安静、鎮痛消炎剤。 

バネ指(弾発指)

指の付け根に痛み、腫れ、熱感。
朝方に症状が強い。

腱鞘炎が進行すると、指を屈伸する時に痛みやコクンとする感じ、ばね指。

さらに進行すると動かなくなる。

指への負荷のため動かすたびに摩擦して炎症が進み、腱鞘か腱が肥大してスムーズな動きが妨げられる。

母指、中指に多く、残りの指にも起こる。
女性の出産、更年期にも多い。
改善しない場合は、腱鞘を切る手術も。

「腱鞘炎を検証しよう」
痛めた時こそ奏法を見直す」

母指CM関節症

親指の付け根、手首の上の指関節に腫れや強い痛み。
ビンの蓋を開けようとすると痛む。

加齢に伴い進行すると膨らんで、骨に変形を起こす。

鎮痛剤、安静、消炎鎮痛剤入りの貼り薬、CM関節保護用の装具など。

親指の負担のない奏法、ネックや弓、バチに親指を押さえつけない。

手根管症候群

親指~中指と薬指の内側までの指先、掌側にしびれや痛みを起こす。

手首の内側で指にいく正中神経が圧迫されることによる。

手首の負担が大きかったり、打撲の腫れや腱鞘炎に併発することも。

妊娠・出産期や更年期の女性に突発的になることも多い。

「手が痛いとき」のアドバイス

ガングリオン(結節腫)

手首甲側、手首の親指側の掌側、指の付け根の掌側できる皮膚の下のコブ。

関節で滑液が閉じ込められてできる。
無痛や自然に消えることもあり、痛みや運動障害は注射吸引等。

へバーデン結節

人差し指から小指にかけて第1関節(爪に近い関節)が赤く腫れたり曲がったりする。

痛みを伴うことも。原因は不明。

一般に40歳代以降の女性に多く発生、手を良く使う人にはなりやすい。

ほとんどが保存的療法。

フォーカル・ジストニア(cramp)

演奏の際、意思に反して指の巻き込みや伸びなどコントロールできなくなる。

難しい箇所を繰り返し練習し続けるなど過度な練習や、心理的ストレスから起こると言われている。

克服しようと練習して悪化させることが多いので、弾き方を見直す必要があります。
「Musician’s Dystonia」 

突き指、爪

突き指
指関節の捻挫、靭帯の断裂、脱臼、骨折など。

靭帯の断裂、脱臼、骨折では変形や内出血を起こす。

指を引っ張らない!場合によっては悪化させる。

変形が残ったり指の動きが悪くなるので、直ぐに手の外科かスポーツ医を受診。

程度によるが、ある軽度の期間は安静固定。

爪について
割れ爪の防止として、よく切れる道具で端から少しずつ切る、お風呂上がりに切る。

やすりや爪用はさみなどを使用し衝撃を与えない。

ネイルやアクリル、接着剤などは甘皮につかないよう、生えてくる根本の組織にダメージを与えない。

ハンドクリームは爪周囲にも塗って保湿、冬の乾燥から守る。

爪は皮膚の一部、毎日つくられます。
爪、皮膚のために良質のタンパク質とビタミンを毎日摂る。

「ミュージシャンの手荒れ対策」

つる 演奏中に急に動かなくなる

攣縮指、腕、足、喉どこでも起こりうる。

演奏中、筋は収縮弛緩を繰り返します。

収縮・弛緩に使われるミネラルが不足してくるせいと言われている。

前日の飲酒でも起こりやすくなる。
大豆製品や野菜をしっかり摂る。

演奏での手のしびれ

・胸郭出口症候群;長時間弾き続けて、頚肩腕にしびれ、痛みや違和感。
・頸椎椎間板ヘルニア;ヘドバンに注意。
・手根管症候群;人差し指中指、親指のしびれ、痛み

日本整形外科学会上肢のしびれ

腕・肘

指を動かす筋が肘から付いているので、演奏後に前腕や肘が疲労したり痛んだりします。

多くは手の負担から招かれます。

肘の痛み テニス肘、ゴルフ肘

物を持ち上げるなど腕に力を入れた瞬間に、肘から前腕に痛みを感じます。

外側が痛い、手首を伸ばすとき痛い、上腕骨外側上踝炎(テニス肘)

内側が痛い、曲げるのが痛い、内側上顆炎(ゴルフ肘)。

手の負担が原因で、手首を曲げたり伸ばしたりする筋がついている肘に炎症。

道具の持ち方や手の動きを改善。
機材の運搬等の負担の影響も大きい。
キャスターは後ろに引かないほうが無難。

Drums&Percussion ドラマーに多い痛み

ミュージシャンがテニス肘になるワケ」

胸郭出口症候群 

肩や腕の痛み、上肢のしびれ、感覚異常。

長時間腕を前に出して手を使い続けるなど、肩から脇までの範囲で、手や腕にいく神経や鎖骨の動脈などの締め付けが原因。

ストラップが首に食い込んだりアコギを抱えている脇など、鎖骨の上や脇の小胸筋で、手に行く神経や血管を圧迫する。

頚肩腕にしびれ、痛みや違和感。
なで肩、こり、上肢を挙げた位置での仕事や重量物を持ち上げる労作も原因。

締め付けの部位によって斜角筋症候群や小胸筋症候群などとも言われる。

休憩、ストレッチでこりから予防する。
「手指のしびれベース、アコギ例」

肘部管症候群

初期は小指と薬指にしびれ。
進行するとかぎ爪指変形。
肘の内側を叩くと小指側にしびれ。

加齢に伴う肘の変形、靱帯などによる神経の圧迫など、肘の内側の神経が慢性的に障害されたことで起こる。

首、肩

肩関節は自由度が高い分、痛めやすい部位。

一般の人でも40才以降は関節周囲組織の加齢から肩のトラブルが多い。

肩の故障は日常生活にも、演奏にも大きく影響します。

中年以降は肩に負担になるような運動を避け、演奏前に重い荷物を肩にかけたりしない。

頚椎性神経根症

中年~高齢の人で肩~腕の痛み。
腕や手指のしびれが出ることも多く
痛みは軽いものから、耐えられないような痛みまで程度はそれぞれ。

一般に頚椎を後ろへそらせると痛みが強くなり、上方を見ることやうがいをすることが不自由に。

上肢の筋力低下や感覚の障害が生じることも。

頚椎椎間板ヘルニア

首や肩、腕に痛みやしびれが出たり、ボタンがかけづらいなど

首を後方や斜め後方で症状が増強する。
歩行障害がでることも

30~50代に多く誘引なく発症することも、悪い姿勢や強打などが誘引になることもあります。

鎮痛剤、神経ブロック、運動療法、手術。

肩関節周囲炎(五十肩)

「凍結肩」とも言われる。
半数は肩への負担がきっかけで発症。

片腕が痛くて挙げられない、肩関節の激しい痛み、夜間痛。

衣服の脱ぎ着やシャンプーなど困難で日常生活に支障をきたす。

肩関節の関節包や滑液包(肩峰下滑液包を含む)が加齢により炎症。
痛みが激しい3〜4ヶ月は安静、無理に動かさない。

動かせるようになったらリハビリを兼ねて動かす。
時間はかかるが治る。

腱板断裂

55才から60才代に多く、6割が男性、右肩に多い。

肩の酷使、強い外力後に発症しやすい。

四十肩との違いは片方の手で持ち上げると挙げられる。
夜間痛など痛みが激しい。

腱板という組織が、劣化するため。
動きやMRIで鑑別診断、鎮痛、運動療法等。
若い年齢では、投球などで腱板損傷を起こす。

石灰沈着性鍵盤炎

40〜50代の女性に多い。
腱板内に沈着した石灰により、痛みが激しく、腕を動かし辛くなってしまう。

五十肩と違って腕は上げられる。
レントゲンによる診断。

ほとんどが注射や吸引など保存療法で軽快。
場合によっては手術。

楽器の重さ、姿勢の悪さ、機材の運搬、長時間同じ姿勢などにより腰部に負担が。

普段からいい姿勢や適度な柔軟性をつけておくように。

まれに解離性大動脈瘤、尿管結石などの内臓疾患から腰痛を起こすことがあります。

ぎっくり腰(急性腰痛症

突発的に腰回りの筋肉・筋膜を痛めた状態。
疲労によるものも。

次第に動けるようになる。
積極的に動かして再発を予防する。

腰部椎間板ヘルニア

前屈みで腰や臀部に痛み、片足にしびれや力がはいりにくくなる。

お尻から大腿の後ろ側にピリピリと神経症状がはしったり、膝下から足の先までしびれたり。

姿勢の悪い動作や喫煙で発症しやすい。

腰部脊柱管狭窄症

腰痛はあまりなく、続けて歩けない
安静時には症状がない。

背を反らすと症状がきつくなり、前かがみになるとやわらいで歩きやすい。

加齢、労働によって下肢へ行く神経が圧迫されるせい。

のど、顎

声帯ポリープ

無理して声を出すと痛々しい声
(外科的にとる)

声帯結節

無理して声を出すと痛々しい声
外科的切除

ポリプ様声帯

女性喫煙者に多い(飲み屋のおばさんの声)

急性喉頭炎

喉がヒリヒリイガイガ、空咳、しゃがれ声、飲み込みにくい、咳払

多くはウイルス感染による粘膜の炎症、声の使いすぎ、タバコ、ほこりなどの刺激。

極端な気温にさらされても起こる 

風邪

話さず完全に声帯を休める。
プロは風邪引かない。

風薬やアレルギーの薬は粘膜を乾燥させてしまうことがあります

対症療法でなく体質の改善を。

ボーカルがライブで声が不調なとき、体と喉のケア」

芸術家の声の障害1、2」 

逆流性食道炎

咽喉頭違和、嗄声、咳、ゲップ、胸焼け。
暴飲暴食しない。
夜に油分や肉を食べ過ぎない。

顎関節症

口を開けにくい、痛い、咀嚼しにくい、耳の前の関節で音など。

原因としてストレス、固いものなどで顎の使いすぎ、食いしばりや歯軋り。

安静、歯科受診、時間の経過で治る。

口輪筋の損傷

管楽器奏者の演奏中突然痛み。
顔の筋肉は細いため、過度の緊張によって筋線維が炎症を起こす。

耳、難聴

極端な音量で、耳鳴りやゆがんで聞こえたり、音の質が変わって聞こえたりします。

聴覚の低下を器具で補うことはできても正常にもどすことは難しい。

音圧が最大になった時の衝撃は大きく

オーケストラ140dbs  ロック150dbs
フルート85~111dbs  トロンボーン85~114dbs

プロの音楽家の半数近くが聞こえに問題があることが明らかで、バンドで弾いている人は一般学生にくらべて、問題がある人が2倍以上という報告がある。

対策
・静かな休息を組み込む。
たとえば2~3時間ごとに15分、騒音にさらされた後は1~2日休む。
内耳に受けたダメージを回復させる。

・音源から離れる 金管パートの前には他の奏者を置かない

・遮音板、天上や壁に吸音板やパネル、音響調節スクリーン、コルクボードやカーテン、カーペットなど吸音素材

・演奏家用の耳栓(エティモティックリサーチ、センサフォニクス、ウエストン、型どりして作るもの)

参照『図解 音楽家のための身体コンディショニング』音楽之友社
  『音楽家の体メンテナンスBOOK』春秋社

突発性難聴

難病情報センターより
突発性難聴は適切な対応で治る可能性も多いので、異常に気づいたら一刻も早く医師に相談

主症状
1.突然の難聴 
文字通り即時的な難聴、または朝眼が覚めて気付くような難聴。

ただし、難聴が発生したとき「就寝中」とか「作業中」とか、自分がその時何をしていたかが明言できるもの。

2.高度な感音難聴 
必ずしも高度である必要はないが、実際問題としては高度でないと突然難聴になったことに気付かないことが多い。

3.原因が不明、または不確実 
つまり、原因が明白でないこと。

副症状
1.耳鳴り 
難聴の発生と前後して耳鳴りを生ずることがある。

2.めまい、および吐き気、嘔吐 
難聴の発生と前後してめまいや、吐き気、嘔吐を伴うことがあるが、めまい発作を繰り返すことはない。

伝音性難聴

外耳(耳介&外耳)と鼓膜及び中耳、つまり音を神経まで伝達する器官の障害による難聴であり、中耳炎などによる難聴はこれに当たります。

聴覚神経に異常がないので治療できる可能性があり、補聴器の効果が大きい。

感音性難聴

内耳か又は聴覚神経に障害がある難聴で、現在の医学では治療が困難。

補聴器による改善は可能ですが効果は様々。

突発性難聴も代表的な感音性難聴で、原因は解明されていませんが治療が可能。

他に騒音性難聴(ヘッドホン難聴も)、薬剤性難聴(ストマイシン・カナマイシン等)、メニエール病、ストレス性難聴等

混合性難聴

伝音性難聴と感音性難聴の両方を併せ持っているのが混合性難聴。

どちらの度合いが強いかで補聴器の効果に大きな差があります。

老人性難聴は多くの場合混合性難聴、加齢に伴って進行する。

足底腱膜炎
足の裏に痛み。歩くときや最初の一歩に痛み。

硬い靴やクッション性の高いシューズなど履物や運動量の低下のせいで、足底の柔軟性や可動性が不十分に。

日常の歩行やジョギングなどで負担がかかってしまう。

痛いときは手でマッサージ。
足首や指を動かし、適切な靴を履いて動く。

ドラムのペダルが踏みやすくなるストレッチ」

ドラムでの足の疲れ、膝、ガニ股

メンタルからくる不調、不眠

過呼吸・パニック障害、下痢、嘔吐、頭痛、食欲不振、不眠、めまい、視覚聴覚の不調など。

体の部位に、問題があって症状が出るのではなく、精神面な負担から体に症状が出ることはよくあることです。

メンタルコントロール

忙しさや不安、人間関係や悲しいできごとなど、ストレスや感情の波に飲まれます。
 
自分でも気付かないうちに、精神的な負担が大きくなっていることがあります。
 
体がかたく呼吸が浅くなります。
声がかすれたり出にくくなったりもします。
 
意識してゆっくり呼吸をしてください。

自分でコントロールできる体の器官は、呼吸系です。

体をコントロールするために、息をコントロールします。

体をリラックスさせて、目を閉じて深呼吸するだけでいいのです。

難しく瞑想とか座禅とか、やり方にこだわる必要はありません。

体をリラックスさせて、ときどき深呼吸したり、暗いところでゆっくり呼吸を。

体の緊張がなくなると、心はとても穏やかになります。

PCの長時間作業など、体がかたくなるような作業を避け、ネットなど見ず早く寝ましょう。

心身をリラックスさせるような運動をしたり、落ち着く音楽を聞くなどおすすめです。

お笑いを見たり、カラオケで発散するもいいです。

笑うときは顔の筋が動いて、呼吸を伴い体の緊張がゆるんで、心身がリラックスします。

泣くのも呼吸を伴って、緊張から心身が解かれます。

大声で叫んだり、体を動かすのも発散します。

体のサインは心の悲鳴と言えます。
症状がきつくて辛かったり、うつっぽければ専門医を受診しましょう。
 
 
 

不眠対策

・体の力を抜いて、ゆっくり呼吸をする
・寝る前数時間は室内を間接照明で暗めにする
・寝る前にパソコンやTVなど発光するものは避ける
・昼間は太陽の光を浴び、適度な運動をする
・夜のカフェイン、刺激物の摂取は控える
・遅い夕食に油分の多いものや肉など消化に時間のかかるものを食べない
・湯船につかって重力から体を解く(熱すぎない湯)
・温度(少し低くても可)や遮光、快適な寝具など環境
・日中爆睡しない
・ラベンダー、ウッド系など鎮静効果の高いアロマ