歌や演奏しやすい体

歌や演奏しやすいためには、かたくない体で、パーツを動かしやすい状態です。

安定した姿勢だと、背中に余計な緊張がなく、腕や脚を動かしたり呼吸しやすく、手などを使いやすくなります。

 

人は自分のかたさ、動きにくさを自覚できず、動きにくいと「力不足」と考えがちで

弾きにくいと気づかないうちに力み、手や手首がかたくなって細かい操作をしにくくなります。

かたさに気づけなかったり、動きにくい奏法で余計な力を使っていても、身につけると普通に思えてしまいます。

 

演奏は、指が楽器に触れたり、手足が道具から感触を受けながら操作することの繰り返しです。

体幹から腕や脚が動きやすかったり、指先など末端まで抵抗がない動き方、奏法だと、関節が屈伸しやすく手は動きやすくなります。 

背中が張っていたり肩がかたいと、腕の根元からの動きが不十分で、手に負担をかけた動きになります。

 

適切な奏法だと、力まず末端を軽く動かせて、音を出しやすくコントロールしやすくなります。 

腕の力みがなく、肩こりや疲労、故障を減らします。

初心者のうちは誰でも力が入りますが、適切な動き方で適切に練習することで、スラスラ動かせるようになります。

 

猫背やガニ股、内股だと背中が張り、肩や足が動きにくいです。

姿勢が良くてもかたいと腕や足を動かすのに不利で、腰痛を起こします。

パーツが動きやすい姿勢やかたくないこと、関節の屈伸を邪魔しない体や奏法が望ましいです。

歌や演奏しにくいのを、筋力をつけたり一時的な関節可動域で賄えるものではありません。

演奏で動くメカニズム

私たちが動けるのは、神経系によるコントロールと重力による運動エネルギーとのおかげです。 

演奏の動きのコントロール

演奏で手足を動かしてるのは神経系で、身につけた神経回路を元に、手足を自動でコントロールします。

脳や脊椎(背骨の中にある神経)から、動く命令が神経を伝って、筋肉を動かします。

筋肉や関節にある動きのセンサー(感覚受容器)や楽器に当たった感触を、 脳や脊椎にフィードバックしながら動きをコントロールします(神経筋制御)。

 

かたくない体で、手に力を入れず屈伸しやすいことは大事です。

力まないでいることで、反射的な動きになって、動きやすさを保てます。

力むと反射的でないかたい動きで、それが普通になってしまいます。

奏法の身につけ方も大事です。

「演奏で動くメカニズムー筋トレが演奏に効果あるか?」

動きのもと

私たちが動くもとになっているのは、重さで、地球から引っ張られる重力があるから動けます。

筋力だけでなく進行方向に進んだり、関節で切り返して反復したり、体の造りで効率よく動きます。

重力ゆえの運動エネルギー重力と書いて「動」きます。

 

重い頭を適切に支えていないと、自らの重みで姿勢が悪くなったり、背中、首肩腰に負担がかかります。

腕や脚を動かしやすいために、姿勢を保つ筋肉が適切に働いたり、重力に抗って適切に動ける背中の柔らかさが必要です。

腕や脚を動かしにくいことに気づかず、手や腰に負担をかけた動きをしてしまいます。

歌や演奏前のストレッチ 

ウォーミングアップをする理由

走ったり運動する前にウォーミングアップをしておくと、動きやすくなりますね。

歌や演奏前にも軽く体を動かしておくことで、楽器に構えやすく手足の動きの抵抗が減り、呼吸しやすくなります。 

 

筋や関節は、動かないでいるとかたくなる性質があります(固化)。

軽く動かすと、筋が収縮しやすく関節内が滑りやすくなります(軟化)。

静置すると、またかたくなります(揺変性、再凝固現象)。

 

人は自分のかたさを自覚しません

痛い、痒い、暑い、寒いというサインは気付きますが、動きにくさに気付かずそのまま歌や演奏してしまいます。

 

長時間、同じ姿勢でいると、動かない部分はかたくなり、楽器の負担も局所にかかります。

一時間に一回は楽器から離れ、体を動かして肩こりなど予防を。

緊張する場面や寒い季節は、体や手がかたくなるので、歌や演奏前に動かしたり温めたりしましょう。 

ウォーミングアップの方法

筋肉が収縮しやすく関節がなめらかに動けるようにして、動きが適切に伝わるようにします。  

かたく伸びにくい胸や背中をほぐして、楽器に向かう姿勢をとりやすい、呼吸しやすい体幹にします。

首、腕、脚の付け根を、力を使わず立体的に無理のない速度、角度で動かします。

足首や手は軽くほぐします。 

 

よくやられている手首や指を引っ張って伸ばすストレッチは、伸びて気持ちがよくても動きがよくなるとは限りません。

過度に引っ張って、筋が伸びて収縮しにくくなったり、偏った方向に引っ張ることで不均衡な動きをさせてしまいます。 

「演奏前にストレッチするほどいいか?ー演奏に必要な柔軟さとは」

《演奏前によくやられている手首、指、腕のストレッチ効果は?》

ただしクラッシックのピアニストで、力が入らないようにわざと指、手首を引っ張っている方はいらっしゃいます。

音楽家向けの運動

音楽家におすすめの運動は、体重を活かして動くもの、手首や肩に負担のないものです。

呼吸を伴うものなら、メンタルもリラックスしていいです。

太極拳、ダンス、ピラティス、ジョギングなど荷重をかけず、体を支えて手足を動かす運動が望ましいです。

  

私たちは、動けるということを、大きな力や関節可動域が大きいことと考えがちです。

筋トレでできた筋はかたく柔軟さが落ち、重い過重を動かせても素早く収縮する俊敏性はなくなります。

動きやすいためには、角度が大きな柔軟性よりも、筋肉がキチンと伸び縮みすることの方が大事です。 

 

楽器の重みの負担や運搬の負担、加齢で柔軟さが落ちると、肩こり、腰痛を起こしやすく呼吸もしにくくなります。

体がかたいと腕や足の付け根の動きが悪く、手足が動きにくい状態です。

肩こりや腰痛を遠ざけるために、重力に抗って動ける体幹の柔らかさが必要です。

「演奏のために筋トレしたらダメな訳、イチロー選手に学ぶ」 


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